台杉とは

台杉

台杉はもともと、森林が狭いという北山高雄のきびしい自然条件を背景に、「苗の不足を解決する一方法」として考え出された。

その起こりは西暦1200年頃、室町時代中期といわれ、北山垂木材を使用している古建築物に、修学院離宮の窮邃軒、隣雲亭、寿月観亭、島原の角屋、黄梅院の咋夢軒などがある。

台杉仕立の方法は、まず植付けて5〜6年目に最初の枝打ちを行う。その時、裾の方の枝を幹の周囲に残し、それから上の枝は梢頭部にわずかに残すのみで、大部分は打ち落とす。第二回以降の枝打ちは、上部の成長した部分を隔年に行い、適寸(末口径3〜4cm)に達した時に、裾のわずか上から伐採する。
第一回の伐採後は、「取り木」が直立する枝の中から成長にすぐれるもの2〜3本を次代木として育て、適寸に達したものから順次伐採すると共に、次々に後継樹を育成していく。こうして100〜200年にわたってこの方法をくり返し、株杉の樹勢が衰えるまで(200〜300年)育成する。

しかし、時代の変遷とともに建築様式が変革したことと、防火建築法の制約をうけ、台杉仕立は年々減少の一途をたどり、現在は全盛期の三分の一以下に激減した。そして現在は、その細い優美な容姿からもっぱら庭園観賞用とされている。

観賞用台杉はシロスギという品種が用いられている。シロスギはその地質適用性の良さと「取り木」の保持力の強さ、また実がならないため花粉の心配もないという、観賞にうってつけの特性を持っている。
また、和、洋を問わず学校やゴルフ場など様々なところに用いられている。

北山杉

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